第21回 ウエサク祭 祝辞
本年も私共世界連邦日本仏教徒協議会は少ない団員ではありますが、ウエサク祭に参加することができ、世界の多くの仏教徒の皆さんとお会いすることができ感謝いたしております。
私共は今から19年前の西暦2007年(佛紀2550年)前会長の叡南覚範大僧正をリーダーとして、このウエサク祭に参加させていただきました。
永年この会の為にご尽力いただいておりますタイ仏教界の指導者の皆様、また事務局としてご準備頂いております皆様に厚く御礼を申し上げます。
現在、世界はロシアのウクライナ侵攻、そしてアメリカおよびイスラエルによるイラン攻撃、それに伴う、世界中の石油関連の混乱と、まことに憂いに満ちた状況になっております。
昨年も皆様に申し上げましたが、故叡南会長は西暦2008年のウエサク祭に於ける基調講演で、
『法華経の中の常不軽菩薩は、自分を石もて投げうち、害そうとする人々に対し「あなたは仏になる人ですよ」と繰り返し常に呼びかけ、幾度も礼拝し続けました。今、世界が行きとどまっている厚い壁である「人と人」「民族と民族」の諸々の憎しみ、紛争を解きほどく、一条の光明がここにあるように思われますと述べられました。』当に現在の世界を適格に予見された講演でありました。
私共日本天台宗の本山である比叡山は日本佛教の母山と言われておりますが、それは、現在の日本仏教の各宗の祖師方の多くがこの山で修行をされたからであります。
そしてこの山を開かれた伝教大師最澄上人は自らを「愚が中の極愚」と捉え、自らの錬磨に努め、釈迦が何千年も昔に自ら証した真の理想を志求し立ち上がられたのであります。
自らの修行を第一として、修行が進まない間は、世界との交わりを持たずに、ひたすら自らを高める為に、その修行を内面に向けられたのであります。そして最終的には修行をして得た功徳は自分自身だけが受けるのではなく、全ての人々に悟りを得させようとされました。
私共仏教徒の考えと行動が直ちに現在の各種の争いごとの解決に役立つとは考え難いのではありますが、武器を持たない私共が行え、示せるのは仏教的な信仰の姿しかありません。
全ての人々に仏教の理想の姿の一分でも見ていただくことしかできません。
私共は、慈悲の心を持った菩薩を目指し、その努力をひたすら続け、同じ思いを抱く仲間と共に釈尊のみ教えを基とした世界連邦の一日も早い誕生を期しての平和活動をしていかなければと考えています。
このウエサク祭の活動が一層進展し、世界に慈悲心の満ち満ちた人々が誕生し、そのことが世界平和に繋がることを祈念いたします。
佛紀2592年(西暦2026年)5月29日
世界連邦日本仏教徒協議会
常任理事 川口圓玄